久しぶりの新作映画。このところ映画は見るがブログを書く気がしない作品ばかり。例えば邦画の「決戦は日曜日」など。
本作はB級サスペンスだがすぐ底を見せない、面白さを買う。
ルーは主人公の名前(アリソン・ジャネイ)、アメリカのおそらく西海岸の島にひっそりと住んでいる。老女である。町の人との交流はあまりないようで、わずかに保安官が比較的親しい。自分の土地にシングルマザー親子、ハンナ(ジャーニー・スモレット)と娘のヴィーを住まわしている。要するにルーの店子である。
ルーは鹿を撃ったり、行動が粗野で老女には見えない機敏なところもある。得体のしれない女性。しかし映画の導入ではレーガン大統領とイランの映像にルーを被せて見せているあたり、彼女の過去のヒントを指し示している。
ある日、ヴィーがじつの父親(死んだと思われていた)フィリップに誘拐されてから、この平和の島がざわつくのだ。ハンナとルー(なぜ赤の他人のルーが同行するのかは後でわかる)はフィリップを追跡する。
まあ後は書けないが、この映画の不満は、ルーとフィリップの過去を出しおしみするようにしか出さず、しかも結局はっきり見せない。この映画は107分だが、もう10分延ばしてそこを映像化すればこの愛憎劇の背景がよくわかるのに残念だ。
ある意味では、面白い陰謀劇になりえたのに、少々遠慮して小作りな映画に収めてしまったのは残念だったとも思うが、主演のジャネイの存在感は相当なものでそこが見どころなのだろう。女性を追うサイドに置き、男性が追われるとは、いかにも今日的。
〆