2019年6月25日
ro-ji-

「その女アレックス」で日本に登場したピエール・ルメートル。その主人公のカミーユ・ヴェルーヴェン警部を主人公にした一種の警察小説三部作の番外編が本作である。その後彼「天国でまた会おう」でベストセラーを出し、ゴンクール賞まで取り路線を変えた。もうヴェルーヴェン警部を主人公とした作品は書かないらしい。145cmしかない異様な肉体を持った天才刑事、部下もユニークなヴェルーヴェン班の活動はとても魅力的だったのに残念だ。
 本作は三部作のように長編ではなく、また事件としては重たいのだが、なぜか犯罪の割には軽さが付きまとう、あえて言えば奇妙な作品だ。ヴェルーヴェン警部のユニークさは相変わらずだが犯人のガルニエ親子の異常さも半端ではない。
 パリに爆弾を7個仕掛けたと自首してきたガルニエ、条件をのまなければ、毎日ひとつづつ爆破するという。すでに一つ爆破し負傷者も多数出ていた。犯人のガルニエの狙いは何か?思いもよらぬ結末までページをめくる手は止まらないだろう!