ぶんぶんのへそ曲がり音楽日記

オペラ、管弦楽中心のクラシック音楽の音楽会鑑賞記、少々のレビューが中心です。その他クラシック音楽のCD,DVD映像、テレビ映像などについても触れます。 長年の趣味のオーディオにも文中に触れることになります。その他映画や本についても感想記を掲載します。

カテゴリ: その他

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久しぶりに升席が取れたので観戦。大相撲11月場所観戦だ、本来は九州場所のはずだがコロナのため
国技館での開催になった。座席はコロナ対策で升席は2人定員、そして溜まりは大幅人数制限、2階席はひとり置きに着席。全体の定員のおよそ半数の5千人の入場を上限としている。どこの施設も同様だが手の消毒、体温測定は義務ずけられている。

 今場所は早々に両横綱が休場を表明。期待の大関朝乃山も3日目には休場、そして目玉の新大関正代まで4日目から休場となり、一人大関貴景勝が重責を担うことになった。

 したがってまあ雰囲気を味わえばいいやと云った気持で会場に入った。珍しく早く着いて幕下の後半から観戦することになった。案の定、幕下、十両は無気力とは言わないが、攻防の乏しい、淡白な相撲が多くちょっとがっかり。

 しかし、中入り後はがらっとかわって攻防の激しい好取組が続き大いに楽しんだ。特に貴景勝×翔猿、照ノ富士×高安の両者の激しい攻防は見所満載だった。また前半でも千代の国×徳勝龍の対戦が面白かった。不屈の男、千代の国の気迫あふれる相撲は館内を大いに沸かせた。
 その他栃ノ心と龍電、宝富士と隠岐の海、明生と遠藤戦は両者の死力を尽くした戦いを大いに楽しんだ。また不調を極めた炎鵬は切れ味鋭い動きが戻り,碧山を倒した一戦はまさに本日の相撲に錦上花を添えたというべきだろう。

 初期に大関は休場したがそのほかの関取が十分穴を埋めたといえよう。けがの原因はいろいろあるだろうが、やはり稽古不足が原因と云えまいか?コロナにより出げいこも制限された中、自分の部屋に関取のいない力士はどうしてもけいこ不足になる。今場所も含めてこのところ佐渡嶽部屋の力士が台頭しているのは部屋に関取を多く抱えているからだろう。
 解説者が朝乃山が連合げいこに参加しなかったことを批判したが、コロナ不安の中朝乃山は迷いに迷って参加しなかったのだろうと私は思っている。

 それより不満は両横綱の姿勢だろう。何場所休場しても番付が下がることがない。他の力士は六場所、満身創痍で戦っているのに、両横綱は万全な体調で年間数場所登場して優勝をさらってゆく。休場しても優勝すればいいだろうというが、優勝して当たり前なのである。下の下まで下がって幕内にカムバックした千代の国や十両にカムバックした宇良、そして三役にまで戻った照ノ富士の不撓不屈の精神を横綱はどう思うか?爪の垢でも煎じて飲むべし。
 相撲協会、横綱審議会もそろそろルールをみなおして年間何場所かは必ず場所に臨むことを義務付け、それができなければ、降格も考えたらどうか?
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相撲協会のこのような映像は空しい。


 






この1~2年のクラシカジャパンの放送を見ていると、やっぱりきたか。と云う思いである。クラシカジャパンが先月末にとうとう放送終了したのである。

 クラシカジャパンは有料ながら、唯一のクラシック音楽の専門チャンネルである。私は加入してかなりたつが、最初のころはこういうチャンネルは珍しいためか、録画したり、終日つけっぱなしにしたりしていた。これを見るまではクラシック番組といえば、ほとんどNHKしかなく、特にBSのプレミアムシアターは水準も高く、また鮮度も新しいということで、今でも毎週楽しみにしている。

 さて、ここからは自分のクラシカジャパンの最近の印象である。クラシカジャパンが存続するために、2つの障害があったように思う。
1.ソフトの鮮度
  最近のクラシカジャパンの放送を見ているとほとんどすでにDVDなどで発売されているものばかり。
  例えば欧州の音楽祭やオーケストラの定期、常設オペラハウスの公演など最新のものはほとんどなく、使いまわされたものばかり。ダビングする気も起らない代物ばかりだった。印象に残ったのはボリショイオペラの「ボリスゴドノフ」それとたしかモネ劇場だと思ったが、「ホフマン物語」くらいであった。やはり今のような鮮度であれば、加入者はあまり増えないだろうと思う。

2.デジタル配信化
  ベルリンフィルのデジタル配信で代表されるように、今ではペトレンコ指揮のベルリンフィルをライブで聴ける/見ることができる。余談だがペトレンコはセッティング録音はほとんどなし、ライブ録音も少なく、またベルリンフィルが来日しても、ペトレンコは来ない。新ベルリンフィルはどういうスタイルなのか知るためにはこのデジタル配信を頼るしかないのである。思えばカラヤン時代が懐かしい。
豊富な録音で、名曲はほとんどすべて、彼の指揮で録音され、聴くことができたのだから!
  要するにハードで録音したものの時代ではないのだろう。したがってクラシカジャパンもその流れに沿って、デジタル配信にかじを切って、クラシカジャパンの放映を終了したわけである。
  デジタル配信と云うとパソコンで見るしかないので(私の場合)どうしても制約がある。インターネットつきのTVを買うしかないのだろうか?

  ということで来るべきものが来たという感想だ。

 

2019年12月17日

昨夜をもって私の今年の音楽会は終了。以下今年の音楽会を振り返りたい。ただし一部映像やライブビューイングも含んでいる。一言でいうと私のブログの総括である。

いつもベストテンで悩むので、今年ははなからあきらめて、ベスト3のあとは各ジャンル別に印象に残った演奏を列記してゆく。

ベスト3
まず第一位はボローニャ歌劇場公演である。6/22「リゴレット」及び6/25「セビリアの理髪師」。イタリアの中堅歌劇場の実力を思い知らされた公演だった。特にリゴレットは一人を除きすべてイタリア人でありインターナショナル化の中でこういうキャスティングをしたことに意義があると思う。歌手ではガザーレとランカトーレの二枚腰というか底力を感じた。例えばリゴレットがマントバ公爵への復讐を誓う2重唱などがその例だ。

第二位はロイヤルオペラ公演9/18「ファウスト」および9/24「オテロ」。こちらは世界のベスト3に入ろうかと云う、1流オペラハウスの最新の演出を引っ提げての公演だ。特にファウストは今年プルミエだけになんとも新鮮に思える。歌い手もグリゴーロやダルカンジェロなど取り揃え豪華な舞台だった。

第三位は並みいる来日海外オーケストラを蹴散らした、ロイヤル・コンセルトヘボウのブラームスの交響曲第四番。11/19の公演である。今年は特に秋に多くの海外オーケストラが来日し、それぞれ素晴らしい演奏を聴かせた。豊作だったといえよう。そのなかでもコンセルトヘボウの音色の美しさ、豊かさは群を抜いていた。あまり好きではないヤルヴィもここでは無駄な動きがなく、オーケストラの力量を引き出したベストパフォーマンスだった。

さて、以下は各分野ごとの印象に残った公演である。

まずオペラから。
 1/16の藤原歌劇団の公演。「椿姫」。海外の団体と比べると歌手は一段と小粒であるが、まとまりがいい。歌手間のアンバランスがないのだ。したがってここで聴けるのは超弩級の歌手の声と云うより繊細な人間ドラマだ。今月聴いたパパタナシュの椿姫(新国立)のようなスタイルとは対極の公演である。藤原歌劇でいうと9/6の「ランスの旅」、11/9「トスカ」が印象に残った。いずれもニッセイオペラである。ここでのよさもチームワークだ。歌手たちそれぞれが合唱を含めとても鍛錬されていた。演出も奇をてらわず日本人向きだと思う。

 少々不満だったのは二期会による「蝶々夫人」10/4。二期会の演出の欧州化はますます顕著になっている。蝶々さんは、伝統的な日本の美しさを生かした演出を私たちはもっているのに、それを捨てて欧州化に走ると云うのは理解できない。同じく二期会の「サロメ」、6/7公演も奇妙な演出について行けない。オペラは楽しく見たいものだ。このままではますます難解になり聴衆が離れてゆくのではあるまいか?

 新国立の公演もほぼ毎月聴いてきたが、さて、印象に残った公演はと云うとあまり思い浮かばないのだ。あえて挙げれば11/17の「ドン・パスクワーレ」、肝心のノリーナに代演とはがっくりだったが、交代者を含めても歌手にばらつきがなく、初めてこのオペラが人気者だということが分かった公演だった。期待の「トゥーランドット」7/21も演出がしっくりこないし、カラフが今一だったこともあり、がっかり公演だった。

 ライブではなく映像で見たいくつかの公演がとても印象的だった。今年のブレゲンツ音楽祭の「リゴレット」、クラシカジャパンの映像で見たがその装置の雄大さには目を見張る。見世物みたいにも感じるが、野外オペラにはこの程度やっても良いのではあるまいか?
 2019-2020のMETもスタートしたが、「マノン」が素晴らしい。オロペーサとファビアノの歌唱も一級品だ。それとオープニングの「トゥーランドット」はゼッフィレッリ追悼の意味もあったらしい。もうMETではおなじみの舞台だが何度見ても飽きない。新国立もこういう舞台を見習ってほしいものだ。

次に海外オーケストラである。今年は特に豊作のようで、予算をはるかにオーバーしてしまった。
 まず、クルレンティス/ムジカエテルナの2/10の公演。コパチンスカヤとのヴァイオリン協奏曲と悲愴が今までのイメージを覆す演奏で驚嘆した。
 ついでネルソンズ/ゲヴァントハウスによるブルックナーの五番、5/31の公演。ネルソンズのブルックナーのスタイルを味わえた好演。来年は8番と9番を演奏するようだ。
 ティチアーティによるベルリンドイツ響の演奏も忘れられない。10/10、10/8
 ビシュコフ/チェコフィルによる「我が祖国」10/29.久しぶりにこの曲を聴いて大いに感動した。チェコフィルのサウンドも健在でありうれしい公演だった。
 ケルン放送交響楽団/ヤノフスキーのベートヴェンは近来まれにみる名演。久しぶりに精神が高揚をするようなベートーヴェンを聴かせてもらった。チョ・ソンジンを見直す公演でもあった。
 ケント・ナガノ/ハンブルグフィルのマーラーの五番は大変ユニークな演奏と云えるだろう。しかしこの演奏をよく聴くと、昨夜聴いたアラン・ギルバートのマーラーと同様、作曲家の心の中に入り込んだ演奏と云えまいか?私は大いに感動した名演だと思った。これに比べるとセガン/フィラデルフィアの演奏は騒々しいだけでさっぱり琴線に触れなかった。11/6

 ティーレマンのウイーンフィルとのブルックナーの8番は久しぶりに聴いたわけだけれど、あまりにスタイルが変貌しており、これをどう受け止めてよいのかわからぬままに時間が過ぎてゆくという演奏会になってしまった。マリンスキーのチャイコフスキーの交響曲は1番、5番、6番と聴いたが、特に後ろの2曲は演出過多のようでいこごちが悪かった。マリンスキーはオペラのほうがずっと良かった。
「スペードの女王」12/1

最後に国内オーケストラの公演から。
 都響は今年は特に絶好調のようだ。昨夜のマーラーも良かったが、最も印象に残ったのは小泉による「ブルックナーの七番」である。10/17.音色の美しさ群を抜いて素晴らしい。おそらく日本のオーケストラで聴ける最良のブルックナーであるまいか?美しさだけでなく深い感動を与える名演である。
 東フィルはチョ・ミュン・フンとバッティストーニとのニ枚看板が強力である。特にバッティストーニが熊川と組んだ「カルミナブラーナ」が秀逸である。音楽もバレエも一級品だ。9/15

 N響ではブロムシュテットのモーツアルトの交響曲36番が心に残る。枯れた演奏とも若々しい演奏ともとれようが、ギャラントさを排した厳しいモーツアルトが聴ける。11/23
 東響はノットの公演があるが、どうも記憶に残らない。あえて挙げれば5/26のショスタコーヴィチの交響曲五番だろうか!。

 その他バレエでは新国立の「ロミオとジュリエット」がマクミラン版で安定した公演だった。

来年はまたクルレンティスも来るしネルソンズも来るようだ。オペラではパレルモ・マッシモ劇場が強力な歌手を擁して来日する。大いに期待したい。

 

2018年12月28日

今年もあとわずか、この一年に聴いた音楽を振り返ってみたい。

 今年年間スケジュールをとしあけに見たとき、あまり目玉はないなあとおもったが、80回ほどのコンサート、予想外に充実した音楽を聴くことができたというのが正直な気持ちである。まずベストコンサートを、10選んでみた。番号は一応順位付けであるが、目安程度でもある。

1.シューマン交響曲全曲演奏会 10/31,11/1(サントリーホール)
  指揮:ティーレマン、管弦楽:ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

2.ボーイト「メフィストーフェレ」(演奏会形式) 11/16(サントリーホール)
  指揮:バッティストーニ、管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団
  バッティストーニは神奈川県民ホールでのアイーダも優秀、また東フィルではミュンフン指揮で
  「フィデリオ」もあった。これも演奏だけ言うと新国立の「フィデリオ」と甲乙つけがたい素晴らしい  演奏だった。

3.ベートーベン交響曲全曲演奏会、6/2~3、5~7(サントリーホール)
  指揮:ウェルザー=メスト、管弦楽:クリーブランド交響楽団

4.ヴェルディ「椿姫」、9/12(東京文化会館)
  ローマ歌劇場公演
  「マノン・レスコー」も聴いたが演出の差で「椿姫」とした

5.バッハ「ヴァイオリン協奏曲第一番、第二番」、12/12(東京オペラシティ)
  ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン、指揮:パーヴォ・ヤルヴィ、管弦楽:ドイツ・カンマーフィル

6.プッチーニ「三部作」9/7 (新国立劇場)
  二期会公演
  指揮:ベルトランド・ビリー、管弦楽:東京フィルハーモニー

7.モーツァルト「ドンジョバンニ」6/30(日生劇場)
  ニッセイ・モーツアルトシリーズ
  指揮:サバティーニ、管弦楽:東京シティフィル

8.ストラヴィンスキー「春の祭典」、6/12(東京オペラシティ)
  指揮:ロト 管弦楽:レ・シュクル

9.マーラー「交響曲第五番」、3/14(サントリーホール)
  指揮:スヴェーデン 管弦楽:ニューヨークフィル

10.マーラー「交響曲第三番」、4/10(サントリーホール)
  指揮:大野和士 管弦楽:都響

次点。新国立劇場のオペラ公演
   印象に残ったのはカルメン(11/25)、魔笛(10/8)、トスカ(7/8)
   フィデリオ(5/27)、アイーダ(4/8)
次点。ラフマニノフ「交響曲第二番」を含むジョナサン・ノットの公演
次点。ベートーベン「交響曲第四番」ブロムシュテット/N響

少し書き加えたい。ティーレマンのシューマンは迷わず今年のベストだ。ドイツ音楽の凄味を指揮者とオーケストラでこれだけ示した演奏はそうざらに聴けるものではない。
 2位のバッティストーニと3位のウェルザー=メストは比べるのもどうかとおしかりを受けそうだ。しかしこれらの演奏会から受けた感銘度から判断した。バッティストーニの、この滅多に演奏されないオペラを演奏会形式ながら東フィル定期に持ってくるという、卓抜な発想が素晴らしい。ライブで初めて聴いたこの「メフィストーフェレ」は、もっと国内のオペラ団体でも取り上げるべき名曲だということを改めて証明した名演である。

 ウェルザー=メストのベートーベンはすべて気に入ったわけではなく、私の物差しではばらつきが多かった。しかし2番、4番、7番などツボにはまった時、このベートーベンの演奏のきらめきは何物にも代えられまい。
 ローマ歌劇場の2演目は素晴らしい歌唱で魅了したが、総合的に「椿姫」を上位にした。オポライスのマノン、クンデのデ・グリューは素晴らしいが、マノン・レスコーの舞台・装置の貧弱さががっかりさせたのだ。ヒラリー・ハーンのバッハにこの順位をこの順位を与えることは迷ったのだが、あの時のバッハの愉悦に満ちた音楽が忘れられない。ヴァイオリンではパリ管と共演したファウストのベートーベンも良かったが、あまりにも研ぎ澄まされすぎていて、私には少しきつかった。

 二期会も健闘したがなかでも、プッチーニの「三部作は」歌手も、演出も立派なもので滅多に3つは一度に演奏されないだけにうれしかった。二期会はその他魔弾の射手などもあったが、演出に難があり、はずした。オペラでは日生劇場でのモーツァルトシリーズも健闘した。なかでも「ドン・ジョバンニ」はサバティーニの指揮、歌手、演出とも秀逸で大いに楽しんだ。そのほかコジや後宮からの逃走なども聴いたがいずれも演出が稚拙なのが難点。レ・シュクルとロトの「春の祭典」は初演時を再現するという試みが成功して、今まで聴いたことのない響きを聴くことができた。スヴェーデンのマーラーは大昔ショルティ/シカゴで聴いた、巨艦主義的な大マーラーで懐かしくて残した。ここで聴く響きは日本のオーケストラは絶対出せないだろう。なお別の日に聴いた「春の祭典」もギルバート/都響の演奏をぶっ飛ばす巨砲だった。
 日本の定期公演では大野/都響のマーラーが印象に残った、これはおそらく日本人でしか創造できない世界だろう。
 次点から新国立劇場の公演を挙げた。このなかでは「アイーダ」と「トスカ」の演出と舞台を評価した。読み替え流行の現在、伝統的なスタイルを守っている、この2曲の舞台は万人に愛される舞台ではなかろうか?11月に聴いたカルメンもそうである。
 ブロムシュテットのベートーベンには驚かされている。ここでの四番はかつてのブロムシュテットとはまるで別人のような演奏に聴こえる。90歳になっても成長を遂げる音楽家と云うのはなんと素晴らしいことだろう。ジョナサン・ノットも東響との定期でいくつかの名演を聴かせてくれた。私にはラフマニノフが印象に残ったが、ブルックナーの九番も良い。

今年も元気に良い音楽を沢山聴きました、来年はクルレンティスがきけるというお年玉があります。
みなさん、良い音楽を沢山聴きましょうね。

2017年12月24日

今年は例年に比べると音楽を聴きに行った回数は少なかったが、外来のオーケストラなどの充実もあって、どのコンサートもそれぞれ満足のゆくものだった。順位付けはなかなか難しいが、とりあえずベスト3のみ順位付けをし後は印象に残った音楽界を列記したい。

 今年のベスト3
 1.ライプチッヒ・ゲヴァントハウス/ブロムシュテット(11/12,13)
   シューベルトのグレイト交響曲とブルックナーの七番がメインのコンサートを聴いた。オーケスト
   ラの作り出す音と指揮者の融合がこれほど素晴らしい例はそう体験できまい。特に輝かしくも
   高貴なシューベルトには深い感銘を受けた。
 2.新国立劇場公演10/8、12/4、3/21
   10/8は神々の黄昏
   12/4はばらの騎士
   3/21はルチア
   いずれも今年の新国立の水準を感じさせる名公演である。特に神々はいままでのリング
   チクルスのなかでもっとも満足のゆくものだった。飯守の指揮、フリードリヒの演出   
   いずれもチクルスではベストの出来栄え。
    ばらの騎士、ルチア、いずれも歌い手が傑出しており満足の公演だった。
 3.ジョナサン・ノットと東京交響楽団のいくつかの公演
   12/11ドン・ジョバンニ演奏会形式
   5/12ブルックナー交響曲第五番
   7/16マーラー交響曲第二番
   12/3交響曲第三番
   ジョナサン・ノットは名ばかりの常任指揮者の多い中、精力的に来日し、ドイツ系の音楽を沢山
   聴かせてくれた。現代音楽が得意と聴いていたがそれを抑えて、日本人の好きなプログラムを用意
   してくれている。在京の定期公演では私は東響が最も好きなのはそういうことも理由だ。
   評論家ばかり喜ばせるようなプログラムを用意する楽団もあるが、お客は離れてゆくだろう。
   ノットも時にはそういう曲を混ぜるが、そのあとにごちそうを用意しているのが良い。
   以上余談です。
   ノットの公演は上記のどれも素晴らしいが、なかでもドン・ジョバンニは傑出していると思う。
   古楽流+伝統の響きの融合が素晴らしい。現代に生きるモーツアルトが聴けた。

以下はその他印象に残った音楽会である。
 まず、オペラからバイエルン国立歌劇場の来日公演を聴いた。9/29「タンホイザ」ー、9/30「魔笛」である。タンホイザーは昔から聴いているスタイルと演奏も演出も違い面食らったが、魔笛でエファーディングのもう古臭いというべき演出では涙した。魔笛での音楽と舞台の一致は当然だが聴き手を置いてけぼりにするような昨今の舞台に対する批判ともいうべき公演だろう。魔笛については新聞なども全く触れていない。批評家たちは何しにコンサートに行っているのだろう。
 続いてマッシモ・パレルモ劇場の「椿姫」だ。ランカトーレ、ヌッチ、ポーリの歌唱は傑出しており、やはりオペラは歌である。
 国内の団体では藤原の「ノルマ」が良かった(7/2)、マニエッラ・デヴィーアの素晴らしい歌唱が特に感動的。二期会では「トスカ」(2/18)がよかった。カバドッシを歌う樋口には大いに期待している。変わり種ではサリヴァンの「ミカド」(8/28)、日本語の歌が違和感があったが、なによりも園田隆一郎の作り出す音楽に魅了された。このオペレッタが600回以上もロングランを続けたのもわかった。演出と歌い手にもう一段の水準があればと惜しまれる。演奏会形式だがバッティストーニ
/東フィルの「オテロ」も彼の将来性を感じさせる好演だった。来シーズンはボイートの「メフィストフェレ」を聴かせてくれる。楽しみだ。

 次にオーケストラコンサートだ。11/21と22にロイヤル・コンセルトヘボウを聴いた。マーラーの四番とブラームスの一番がメインのプログラムだ。私にはガッティという人の演奏がいまひとつまだるっこしい。深く感銘をするというレベル、こころがわきたつレベルまでには連れて行ってくれないような気がする。彼のオペラでもそうだ。もう少し聴き続けてみたい。
 ネルソンズ/ボストン(11/20)はラフマニノフが実に素晴らしい名演だった。特に2楽章、3楽章は体ごとどこかへ持っていかれそうだった。マーラーの一番も聴いたがこちらはあまりしっくりこない。チェコフィルのドヴォルザークもよかった(10/5)これほど素晴らしい弦が聴けるとは、たまげてしまった。
 国内のオーケストラではエッシェンバッハの指揮したN響の公演(10/21)がとてもよかった。特にブラームスの三番の交響曲。N響があれほどしっとりした音を出す例は滅多にない。同じN響ではヤルヴィのシューベルトのグレイト(7/1)がよかった、これはブロムシュテットとは真逆の明るくまぶしい演奏だが、若々しさを感じさせてくれた名演だと思う。その他ショスタコーヴィチの十番(2/17)も印象に残る。
 山田和樹/日本フィルのマーラーチクルスも最終年である。七番と九番(6/29)を聴いた。好きな曲だけに九番が心に残る。山田のマーラーは当然のことながら時系列的に良くなっていたように思った。残念ながら都響は定期会員だが印象に残る演奏はなかった。あえて挙げるとするとスペシャルでインバルが指揮した「大地の歌」くらいだ。(7/18)

 器楽はほとんど行かなかったが5/10のカツァリスのシューベルトはよかった。器楽は正直言って自室で自分のオーディオ装置で聴いたほうがよいように思う。

 来年はウエルザーメスト/クリーブランドのベートーベンチクルスやいま話題のクルレンティス/ムジカ・エテルナも来日するそうだから楽しみである。

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