1100万人のユダヤ人抹殺計画が議論され決定された、バンゼー会議を、その議事録をもとに映画化したものである。
ここにはわずかに人道的な問題提起した人物(1名)いたものの、そのほかは官僚主義やヒトラーやゲーリングの言葉をオウムのように繰り返す人物ばかりが登場して、これはまるで今日の日本のどこかのワンマン企業の会議のようで結局人間は大なり小なり同じことを繰り返すのだということをこの映画は証明している。
約2時間の会議の中で、親衛隊大将のハイドリヒはユダヤ人問題の最終解決としてアウシュヴィッツなどのガス室を使った大量殺戮を出席者に認めさせて、ここにユダヤ人の悲劇が決定された。
事務局にアイヒマン中佐がいて議事録を作成している。はたしてアイヒマンは自らの将来があのようになるとは夢にも思っていなかったに違いない。
ユダヤ人に対する、人道的な態度やドイツに貢献したユダヤ人、優秀なユダヤ人への思いなどは官僚たちから、ぽつぽつと登場するが、結局事なかれで、長いものに巻かれてしまう。恐ろしい話だが今日も似たような話がないわけではないだろう。
〆