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中山七里原作の小説の映画化である。テーマは安楽死であることはタイトルでもわかる。そういう意味では重たい作品になるはずだ。例えば横山秀夫の「半落ち」も映画化されているが、あの重苦しさは安楽死を扱うのに相応しい。

 さて、本作は、ある夜、9歳の少年から父親が殺されたという110番通報があったころとから始まる。犬養警部(綾野剛)と高千穂刑事(北川景子)が初動捜査にあたる。被害者がなくなった日に、なんと医師が時間をおいて二人訪れている。はたしてこの医師が父親の死に関係があるのか?捜査が開始される。
 前半の謎解き(真犯人への道)は面白くできているが、後半の犯人が分かってからの芝居は、演技が濃厚(良い意味ではありません)過ぎて、ついてゆけない。
 刑事が自分の家族を巻き込むストーリーはハリウッドでもよくあり、姑息な手段である。この安楽死犯人がシリアルキラーなのか、それとも正義の味方なのか、という重厚なテーマがひーひーきゃーきゃー演技者が叫ぶことによって、随分と軽躁なドラマに仕上がった。海外の実話をもとにした原作は読んでいないが、おそらく雰囲気は少し違うだろう。
 演技派の俳優が演技派ぶるとこうなるという見本のような映画だ。木村佳乃が「踊る大捜査線」の小泉今日子のような演技をするが、あの小泉今日子にはかなわない。
 この二人の刑事のコンビは面白いが、もう少し違う題材で見て見たい。