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ストックホルム症候群の語源になった事件である。実話に基づく。

 スエーデンのストックホルムのクレジット銀行に強盗が押し入る。イーサン・ホークが扮している。彼は女子行員二名を人質に立てこもる。どういうわけだか警察はその銀行の2階に対策本部を置き、犯人に呼び出されたり、伝達する必要があると降りてくる。それならさっさと捕まえればと思うのだが、ハリウッド映画のようにはいかない。
 やがて、ホークは旧友で刑務所にいるマーク・ストロング(これも悪だが、ストロングの鬘が何となく笑わす)を釈放して銀行によこせという。そんなこんなで二人の強盗と二人の人質(後に銀行に隠れていた同じく泥棒も人質になる)との共同生活?が始まる。人質の一人、ノオミ・ラパスが扮するが、次第に、ホークに同情してと云うより、共感して、親密になるというお話だ。

 全体に緊迫感がないのは結末を知っているからなのか、この二人の強盗のやさしさのせいか、サスペンスにしてはあまり盛り上がらない。最も不満なのは人質の女性が強盗のどこに共感したのか、見ていてピントが合わないことだろう。心理描写の掘り下げが弱いように感じた。これだけの役者をそろえてもったいない。〆