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「三秒間の死角」と云う 小説を原作にした作品。配役に重厚感があり面白く見た。珍しいのかどうかわからないが、これはポーランドマフィアの話でもある。

 主人公はピート・コズロー(ジョエル・キナマン)、ポーランド移民の2世である。イラクで狙撃兵になるが、帰国後心を病み、殺人を犯す。刑は20年だたった。妻と娘がいる。

 ポーランド移民ということに目をつけたFBI捜査官ウイルコックス(ロザムンド・パイク)、はピートに司法取引を持ち掛ける。ポーランド大使館を抜け穴に合成ヘロインを国内に持ち込みさばいている、ポーランドマフィアの組織、将軍と呼ばれる男に率いられている、を壊滅させるべく、情報屋(インフォーマー)として潜入させたのだ。
 しかしそれは輻輳した捜査のために失敗に終わり、ウイルコックスの上司(クライブ・オーウエン)からは打ち切りを宣言され、ピートは刑務所に逆戻り。しかしそこでピートは複数の集団から命を狙われる羽目になる。果たして結末は如何に?小説のタイトルの意味は最後でわかる。

 ピート役のキナマンの落ち着いた演技、パイクの熱血捜査官にNYPDの黒人捜査官が入り混じって見どころは満載だ。そうなると、クライブ・オウエンは何となく冴えない。彼もこういうしょぼい脇をやるようになったのか?と驚いた。
 潜入物の佳作。ポーランドマフィアの存在は知らなかったので興味深い。ただ描き方がロシアマフィアのコピーのようなものなので、もう少しオリジナリティが欲しい。殺し方(舌を切る)やポーランドの歌だけでは物足りない。例えば”将軍”のキャラクターの深堀などあったらいいなと思った。