sijinnsou
 ベストセラーになった、今村昌弘の原作を映画化したもの。小説も読んでいるが、細部は別としておおむね原作に近いと思う。
 原作もつまらなかったが、映画もつまらない。
 原作のつまらなさは、かつてブログに書いた通り。トリック先行、人間存在希薄。ちゃらちゃらした学生たちの内容のなさ。トリックの面白さだけの作品で、これがミステリーでベストセラーとは読後驚いた次第。謀略物を期待した読み始めは、ゾンビの登場で興ざめ。ゾンビと殺人事件を絡めるアイディアは新鮮だが、もうゾンビ物は飽き飽きした。ゾンビと絡めなくとも、人間ドラマとして
描いて、殺人トリックと組み合わせればそれはそれで思い白いと思うのだが、若い人はそれでは満足しないのだろう。

 映画も同様のつまらなさである。それはまず全体がアニメ風であることで、実際、生身の人間を使う意味が全くないと思わざるを得ないことだ。登場人物は斬れば血が出るが、絵の具で塗りたくったような血を連想させるだけ。役者の稚拙さはそれに輪をかけている。わざとらしいずっこけ方や意味の分からないぬぬぬぬなどといった、アニメの吹き出しのようなせりふ?
 これは小説と同じで別に人間ドラマを描いたわけではないので、そう目くじらを立てることもないのだが!
 途中でやめようかと思ったが、もったいないので最後まで見た。