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2018年5月30日

「ノクターナル・アニマルズ」、エイミー・アダムス、ジェイク・ギルレンホール主演

とても凝った作りの、これはおそらく一種の復讐劇に違いあるまい。
 オースティン・ライトの小説の映画化、小説の原題は「トニーアンドスーザン」である。スーザン(アダムス)は世界的に名の知れたアーティスト、テキサスの大豪邸に住んでいる。夫ハットンは画商だが、経営破綻寸前である。二人の関係も破綻寸座、夫は不倫をしている。

 ある夜、小さな小包が着く。そこにはエドワード・シェフィールド(ギルレンホール)なる人物の書いた「ノクターナル・アニマルズ」という小説がはいっていた。エドワードはスーザンの最初の夫である。14年前スーザンがコロンビア大の大学院で美術史を勉強中に、故郷テキサスの高校のクラスメイトだったエドワードと再会、二人は恋に落ちる。スーザンはブルジョワの娘で、エドワードは釣り合わないと、親は反対するが、二人は強引に結婚する。エドワードは売れない作家だった。二人はすぐに破局を迎える。そういう過去があった。

 スーザンは送られた小説を読んだ。それは過去のエドワードの私小説的な作風と一線を画した、一種のヴァイオレンスものだった。ここから映画は2重構造になる。一つはスーザンの生活の描写である。アーティストとして成功しているが、精神的には満たされない毎日を過ごしている。
 もう一つは送られてきた小説が描かれる。そこではトニー・ヘイスティングス(ギルレンホール)、と妻のローラ(アダムズ)、そして娘のインディアが週末旅行に出発するところから始まる。国道で彼らは2台の車の嫌がらせを受ける。ジェイクの車はパンクし停止せざるを得なくなる。そして!

 この小説を読み終えたスーザンはエドワードに会いたいと思い連絡を取る。そして!

この2重構造は実に巧妙に作られていて、果たしてどこでつながるか、最後まで分からないところがみそ。
ちょっと、主題の割には手が込みすぎているように感じた。
 エイミー・アダムズが大学院生からアラフォーまで演じる。それが全く違和感がないのだから、役者というのは恐るべきものだ。