2017年12月26日

「スイッチ・オフ」
原題はIN TO THE FORESTである。小説の映画化である。視点はとても面白いパニック&サヴァイヴァル映画である。時代は近未来、アメリカの地方都市が舞台のようだ。いまでもなりつつあるがそのころは家電はすべて音声で応答、本はパソコン、勉強もパソコンの時代。電気の供給がすべて止まってしまうという設定である。エヴァとネルそして父親と3人は森の中の素敵な一軒家に住んでいる。ガソリンが足りなくなり、街に出るが町は食料もガソリンもなく荒廃としていた。家族は森になかでこの大災害をやり過ごそうとする。
しかし、父親が木を切っているときに事故で死亡してしまう。

 それからが、姉妹のサヴァイヴァルだ。危難は次から次へと二人を襲うが力を合わせて乗り切るという姉妹愛の物語。しかし、さて、原作も読んでいないにもかかわらず偉そうなことは言えないが、果たして作者の狙いはそこにあったのか?モチーフは電気に頼った現代社会への強烈な皮肉・警鐘なのではなかったか?その「毒」が姉妹愛にごまかされて薄まっているのが残念。したがってたくましく生き抜く妹のネルが百科事典を首っ引きのサヴァイヴァルのあの手この手をさらさらとやってしまったのは仕方がないことなのだろう。もったいない作りだった。それにしてもアメリカの家というのは1年半程度で梁が落ち、崩壊してゆくほど安普請なのだろうか?半年もしないうちに雨漏りだらけの家になってしまうのだ。森の中だったからだろうか?時間は100分の映画だが視点がそらされたのが残念だ。