2017年10月24日
於:サントリーホール(1階16列中央ブロック)
東京都交響楽団、第841回定期演奏会Bシリーズ
指揮:小泉和祐
ヴァイオリン:アリーナ・ブラギモヴァ
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第二番
フランク:交響曲ニ短調
骨のある大曲2曲によるプログラムである。
バルトークのこのヴァイオリン協奏曲は晩年に近いころの作品である。この曲を初めて聴いたときは、オーケストラ部分が印象的だった。それは管弦楽ための協奏曲と雰囲気が似ているからだろうと自分では思っている。1楽章や3楽章の終結部などそういうように感じる。
今日久しぶりに聴いて、これはヴァイオリニストには相当タフな曲だということを改めて強く感じた。1楽章など緩急が目まぐるしく入れ替わるのだが、その都度音楽のムードがずいぶん変わる。ブラギモヴァは急の部分の激しさが相当なものでまず耳を奪われる。1楽章は音楽を聴いていると、まるで体が揺さぶられるようだ。2楽章は両端の静かな部分が夢を見るように美しい。中間は1楽章と同様荒々しい。3楽章は民族風の音楽やジャズ風の音楽が盛大に盛り上がるオーケストラが印象的、ヴァイオリンもオーケストラに負けずにスリリングな演奏。アンコールはないのは当然のことだろう。
演奏時間は36分。
フランクの交響曲は久しぶりに聴いたが、やはりとても素晴らしい曲だ。この曲が初演で不評だったとは信じられない。小泉の大振りな音楽の進行は、ちょっと大げさではないかと思わせるくらいだが、それによる効果もばかにはできない。特に1楽章はまるでブルックナーを聴いているようだがこの圧倒的な響きに抗するすべはないだろう。フランクもブルックナーも名オルガニストだったそうだから、音響的に近似する部分があるのかもしれない。
しかし、2楽章はそういう大げさな仕掛けは影を潜め、美しい高弦、木管が繊細な音楽を聞かせてくれる。3楽章はまた1楽章のように盛大に盛り上がるが、ここはブルックナー風な大げさ感はなく、むしろフランス風の華やかで、ゴージャスの響きが素晴らしい。全体にゆっくりなのはお師匠さんのカラヤンばりで演奏時間もほぼ同じである。(42分)
〆
於:サントリーホール(1階16列中央ブロック)
東京都交響楽団、第841回定期演奏会Bシリーズ
指揮:小泉和祐
ヴァイオリン:アリーナ・ブラギモヴァ
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第二番
フランク:交響曲ニ短調
骨のある大曲2曲によるプログラムである。
バルトークのこのヴァイオリン協奏曲は晩年に近いころの作品である。この曲を初めて聴いたときは、オーケストラ部分が印象的だった。それは管弦楽ための協奏曲と雰囲気が似ているからだろうと自分では思っている。1楽章や3楽章の終結部などそういうように感じる。
今日久しぶりに聴いて、これはヴァイオリニストには相当タフな曲だということを改めて強く感じた。1楽章など緩急が目まぐるしく入れ替わるのだが、その都度音楽のムードがずいぶん変わる。ブラギモヴァは急の部分の激しさが相当なものでまず耳を奪われる。1楽章は音楽を聴いていると、まるで体が揺さぶられるようだ。2楽章は両端の静かな部分が夢を見るように美しい。中間は1楽章と同様荒々しい。3楽章は民族風の音楽やジャズ風の音楽が盛大に盛り上がるオーケストラが印象的、ヴァイオリンもオーケストラに負けずにスリリングな演奏。アンコールはないのは当然のことだろう。
演奏時間は36分。
フランクの交響曲は久しぶりに聴いたが、やはりとても素晴らしい曲だ。この曲が初演で不評だったとは信じられない。小泉の大振りな音楽の進行は、ちょっと大げさではないかと思わせるくらいだが、それによる効果もばかにはできない。特に1楽章はまるでブルックナーを聴いているようだがこの圧倒的な響きに抗するすべはないだろう。フランクもブルックナーも名オルガニストだったそうだから、音響的に近似する部分があるのかもしれない。
しかし、2楽章はそういう大げさな仕掛けは影を潜め、美しい高弦、木管が繊細な音楽を聞かせてくれる。3楽章はまた1楽章のように盛大に盛り上がるが、ここはブルックナー風な大げさ感はなく、むしろフランス風の華やかで、ゴージャスの響きが素晴らしい。全体にゆっくりなのはお師匠さんのカラヤンばりで演奏時間もほぼ同じである。(42分)
〆