2015年6月16日
「ゴーン・ベイビー・ゴーン」、ベン・アフレック監督、ケーシー・アフレック主演
この映画は日本未公開。2007年のベン・アフレック初の監督作品である。これは実にひねりのある面白い映画だった。小説の映画化である。
自堕落な母親の元に育った天使のような少女が誘拐される。少女の叔母が警察とは別に探偵を雇う。ケーシー・アフレックが探偵、探偵のパートナーがミシェル・モナハン、刑事にエド・ハリス、そして事件の指揮をとるのがモーガン・フリーマン。凄い配役だ。
麻薬犯罪が絡んだりして話がややこしくなるが、思いもよらぬ結末を迎える。
ベン・アフレック主演で云えば、「ゴーン・ガール」が思い出される。こちらはデヴィッド・フィンチャー監督だが、やはりゴーン~というキーワードは本作と共通である。これはアフレックの好みなのだろうか?
ゴーン・ガールはアメリカの夫婦生活にメスを入れたもの、ゴーン・ベイビー~はアメリカの家庭の親子関係にメスを入れたものでありメッセージ性は感じられるが、話の作りが面白いのでそういうものに気がつくのは見終わってからだ。合わせて見ると面白さも倍加するかも?
「インサイドマン」、スパイク・リー監督
これも配役が凄い。クライブ・オーエン(銀行強盗)、デンゼル・ワシントン(ネゴシエイター)、ジョディ・フォスター(腕利きの弁護士)、クリストファー・プラマー(襲われた銀行のオーナー)、ウィレム・デフォー(突入部隊の隊長)。
話としては「バンクジョブ」のパクリみたいなものだが、そう単純ではない。キーワードは貸し金庫ということだ。銀行が襲われ人質をとり犯人は銀行にたてこもる。犯人の狙いはなかなかわからないままにネゴシエーターが登場したり、何か裏のある銀行家にやり手の弁護士が登場したりしてゆく過程でだんだん全容が見えてくる。途中から話の筋が見えてくるのはちょっとつまらないが、それでもプロットは面白い。ただ今一つ話に緊迫感がない。その最大の原因はデンゼル・ワシントンのお遊び演技である。皆まじめにやっているのに彼だけチャラチャラしているのは、作品全体の様式感を壊す。
「ワイルドカード」、ジェイソン・ステイサム主演
小説の映画化。ラスベガスに住む、雇われ用心棒でギャンブル依存症のニック・ワイルド(ステイサム)はコルシカに住んでヨットに乗ることを夢見ている。しかしなじみの娼婦の関わりで西海岸のマフィアとトラブルを起こしてしまう。
相変わらずのステイサム節炸裂だが、人物像にいくらか本物らしさが彫り込まれている点が新しいところか?ちょっと強すぎるところがもったいない様に思う。ITで儲けた青年実業家やなじみの娼婦とのからみがもう少し実体感があればと思う。彼らとステイサムの世界があまりに違いすぎるのが残念だ。彼らの側で生きるステイサムと云う面が描ければ、もっとリアルなハードボイルドになっただろう。やはりステイサムがでると超人的な場面がないとまずいんだろうなあ!
「ゲスト」、デイブ・コリンズ主演
超B級サスペンス。ピーターソン家にある日イラク帰りの元兵士が訪れる。彼は戦死したピーターソン家の長男の戦友だったそうだ。ピーターソン家の人々は彼に好意を持ち泊るように勧める。いわゆるゲストもので、普通はこう云う場合ゲストが家族を襲うのだが、この映画はひとひねりしてあり、話としては面白い。しかし作りが相当荒っぽいので(特に後半)ちょっと興ざめ。もう少し丁寧なシナリオだったら一級のサスペンスになったのにおしまれる。
〆
「ゴーン・ベイビー・ゴーン」、ベン・アフレック監督、ケーシー・アフレック主演
この映画は日本未公開。2007年のベン・アフレック初の監督作品である。これは実にひねりのある面白い映画だった。小説の映画化である。
自堕落な母親の元に育った天使のような少女が誘拐される。少女の叔母が警察とは別に探偵を雇う。ケーシー・アフレックが探偵、探偵のパートナーがミシェル・モナハン、刑事にエド・ハリス、そして事件の指揮をとるのがモーガン・フリーマン。凄い配役だ。
麻薬犯罪が絡んだりして話がややこしくなるが、思いもよらぬ結末を迎える。
ベン・アフレック主演で云えば、「ゴーン・ガール」が思い出される。こちらはデヴィッド・フィンチャー監督だが、やはりゴーン~というキーワードは本作と共通である。これはアフレックの好みなのだろうか?
ゴーン・ガールはアメリカの夫婦生活にメスを入れたもの、ゴーン・ベイビー~はアメリカの家庭の親子関係にメスを入れたものでありメッセージ性は感じられるが、話の作りが面白いのでそういうものに気がつくのは見終わってからだ。合わせて見ると面白さも倍加するかも?
「インサイドマン」、スパイク・リー監督
これも配役が凄い。クライブ・オーエン(銀行強盗)、デンゼル・ワシントン(ネゴシエイター)、ジョディ・フォスター(腕利きの弁護士)、クリストファー・プラマー(襲われた銀行のオーナー)、ウィレム・デフォー(突入部隊の隊長)。
話としては「バンクジョブ」のパクリみたいなものだが、そう単純ではない。キーワードは貸し金庫ということだ。銀行が襲われ人質をとり犯人は銀行にたてこもる。犯人の狙いはなかなかわからないままにネゴシエーターが登場したり、何か裏のある銀行家にやり手の弁護士が登場したりしてゆく過程でだんだん全容が見えてくる。途中から話の筋が見えてくるのはちょっとつまらないが、それでもプロットは面白い。ただ今一つ話に緊迫感がない。その最大の原因はデンゼル・ワシントンのお遊び演技である。皆まじめにやっているのに彼だけチャラチャラしているのは、作品全体の様式感を壊す。
「ワイルドカード」、ジェイソン・ステイサム主演
小説の映画化。ラスベガスに住む、雇われ用心棒でギャンブル依存症のニック・ワイルド(ステイサム)はコルシカに住んでヨットに乗ることを夢見ている。しかしなじみの娼婦の関わりで西海岸のマフィアとトラブルを起こしてしまう。
相変わらずのステイサム節炸裂だが、人物像にいくらか本物らしさが彫り込まれている点が新しいところか?ちょっと強すぎるところがもったいない様に思う。ITで儲けた青年実業家やなじみの娼婦とのからみがもう少し実体感があればと思う。彼らとステイサムの世界があまりに違いすぎるのが残念だ。彼らの側で生きるステイサムと云う面が描ければ、もっとリアルなハードボイルドになっただろう。やはりステイサムがでると超人的な場面がないとまずいんだろうなあ!
「ゲスト」、デイブ・コリンズ主演
超B級サスペンス。ピーターソン家にある日イラク帰りの元兵士が訪れる。彼は戦死したピーターソン家の長男の戦友だったそうだ。ピーターソン家の人々は彼に好意を持ち泊るように勧める。いわゆるゲストもので、普通はこう云う場合ゲストが家族を襲うのだが、この映画はひとひねりしてあり、話としては面白い。しかし作りが相当荒っぽいので(特に後半)ちょっと興ざめ。もう少し丁寧なシナリオだったら一級のサスペンスになったのにおしまれる。
〆