2014年1月29日
「ベルリン・ファイル」、ハン・ソッキュ、ハ・ジョンウ、チョン・ジヒョン
韓国製、国際謀略物。しかももう北朝鮮がジョウウンの時代になっており、今日的である。ジェイソン・ボーンシリーズを思わせるアクション、音楽などが効果的で、面白い作品になっている。
ただ話の本筋は面白いのに、売りのアクションが前面に出過ぎて、だんだん飽きがくるのが、難点。この点は韓国流のしつこさが裏目に出たと云うことだろう。でも日本映画では甘さの出るアクションもので最後までハードなのはさすがである。
キム・ジョウウンの時代になった北朝鮮、そのベルリン大使館(ベルリンに北朝鮮の大使館があったとは知らなかった)付きの諜報員が主人公。国家の英雄でもある。その重荷を背負って生きてゆく孤高の諜報員をハ・ジョンウが好演。彼は本国サイドの思わぬ謀略/罠にはまり窮地に追い込まれる。一方韓国側は北朝鮮の秘密資金ルートを追う。この2つが交差して、激突するという話だ。主人公はジェイソン・ボーン並みで怪我をしてもすぐ治ってしまうというスーパーマンぶりをどうこう云う映画ではなかろう。ジョウウン時代を背景にしたストーリーには妙なリアリティがあって恐ろしい。(DVDレンタル)
「悪いやつら」、チェ・ミンシク、ハ・ジョンウ主演
またまた韓国映画だ。別に好きではないのだが、アクションものの作りが案外と面白いのでつい借りてしまう。この映画は極道ものというか、裏社会を描いたものである。題名通り悪いやつばかりが登場する。暴力シーンも多いが、チェ・ミンシクの演技がどことなくとぼけて見えるので、なんとなくユーモラスなのが面白い。
元税関吏のミンシクはコネと血脈で裏社会とつながる。それが釜山を縄張りにした極道の親分ジョンウである。二人は二人三脚で昇り詰める。警察や検事などのコネを使って昇ってゆく過程は面白い。ジョンウの親分のハードなアクションも見ものである。
ミンシクは極道にはなり切れないワルだが、一面家族を大切にし、クリスチャンでもある。息子の教育にも力を入れた教育パパでもある。この二面性がミンシクのキャラで生きてくる。しかし盧泰愚大統領の暴力団追放が引き金になってミンシク帝国は崩壊したかと思いきや・・・生き残るしぶとい男なのだ。この年代記が韓国の現代史でもあり興味深い。
また、韓国は血縁や上下関係に対して日本をはるかに超えた重要性をもった社会であるということがよくわかった。そのことだけでも見る価値があるだろう。(DVD)
「偽りの人生」、ウィゴ・モーステンセン主演
アルゼンチン映画。これはひどく面妖な映画だ。わかりやすい話なのに、なにかしこりが残るような不快感が残る。
ペドロとアグスティンは性格の全く違う双子の兄弟。兄は生まれ故郷の島(どこだかわからない)で養蜂家として生活しているが、裏社会ともつながっている。弟は大都会で医者をやっている。キャリアの妻との二人暮らし。兄は乱暴者だが弟は繊細。ある日兄が弟の家に来る。兄は末期がん。今の生活に閉塞感を感じていた弟は兄と入れ替わり故郷に帰るという話。愚兄賢弟物語だがお利口な弟が悪の兄貴に入れ替わるのだからまあばれないわけがないだろう。
アルゼンチンは財政破たんをして再建中の国だが、そういう雰囲気を随所に感じさせる映像でそれはそれで面白かった。しかし話が少々ばかばかしいので最後まで見るのが少々しんどい。こう云う話なのにカトリックの国らしく、悪党が聖書を読んだり、聖女のような少女が登場したりする。
私の感性ではついて行けない映画だった。(DVD)
「コレクター」ジョン・キューザック主演
原題は「FACTORY」、何の工場かは見てのお楽しみ。まあただのコレクターものとはひとひねりしたものだ。実話に基づいた話らしい。
娼婦がこの何年か冬になると行方不明になる。アメリカ、バッファロー市が舞台である。それを捜査するのがキューザックでパートナーの女性刑事と組んで取り組むが、迷宮入りしてしまう。ところがキューザックの娘が誘拐されてしまい、話は急展開する。思いもよらないラストがショッキングだが、このごろこういう猟奇物はあまり見たくなくなってしまった。年のせいだろう。このジャンルが好きな人には面白い一作だ。(DVD)
「コズモポリス」、デヴィッド・クローネンバーグ監督
小説の映画化。観念的な台詞の連発だが、その背景がよく飲み込めないので、見ていて画面から置き去りにされてしまう。
若くして金融王になった主人公は、なぜかリムジンをオフィスにしている。「元」の暴落で破産寸前、その彼の一日を描いている。ボディーガード、運転手、事業パートナー、金持ちの娘=妻、よくわからないパイ投げ男、主人公の会社を首になった男、その他こういった人物が入れ替わり立ち替わり登場してぺらぺらしゃべっておしまいと云う映画だ。
最後までついて行けなかった。悔しいです。(DVD)
〆
「ベルリン・ファイル」、ハン・ソッキュ、ハ・ジョンウ、チョン・ジヒョン
韓国製、国際謀略物。しかももう北朝鮮がジョウウンの時代になっており、今日的である。ジェイソン・ボーンシリーズを思わせるアクション、音楽などが効果的で、面白い作品になっている。
ただ話の本筋は面白いのに、売りのアクションが前面に出過ぎて、だんだん飽きがくるのが、難点。この点は韓国流のしつこさが裏目に出たと云うことだろう。でも日本映画では甘さの出るアクションもので最後までハードなのはさすがである。
キム・ジョウウンの時代になった北朝鮮、そのベルリン大使館(ベルリンに北朝鮮の大使館があったとは知らなかった)付きの諜報員が主人公。国家の英雄でもある。その重荷を背負って生きてゆく孤高の諜報員をハ・ジョンウが好演。彼は本国サイドの思わぬ謀略/罠にはまり窮地に追い込まれる。一方韓国側は北朝鮮の秘密資金ルートを追う。この2つが交差して、激突するという話だ。主人公はジェイソン・ボーン並みで怪我をしてもすぐ治ってしまうというスーパーマンぶりをどうこう云う映画ではなかろう。ジョウウン時代を背景にしたストーリーには妙なリアリティがあって恐ろしい。(DVDレンタル)
「悪いやつら」、チェ・ミンシク、ハ・ジョンウ主演
またまた韓国映画だ。別に好きではないのだが、アクションものの作りが案外と面白いのでつい借りてしまう。この映画は極道ものというか、裏社会を描いたものである。題名通り悪いやつばかりが登場する。暴力シーンも多いが、チェ・ミンシクの演技がどことなくとぼけて見えるので、なんとなくユーモラスなのが面白い。
元税関吏のミンシクはコネと血脈で裏社会とつながる。それが釜山を縄張りにした極道の親分ジョンウである。二人は二人三脚で昇り詰める。警察や検事などのコネを使って昇ってゆく過程は面白い。ジョンウの親分のハードなアクションも見ものである。
ミンシクは極道にはなり切れないワルだが、一面家族を大切にし、クリスチャンでもある。息子の教育にも力を入れた教育パパでもある。この二面性がミンシクのキャラで生きてくる。しかし盧泰愚大統領の暴力団追放が引き金になってミンシク帝国は崩壊したかと思いきや・・・生き残るしぶとい男なのだ。この年代記が韓国の現代史でもあり興味深い。
また、韓国は血縁や上下関係に対して日本をはるかに超えた重要性をもった社会であるということがよくわかった。そのことだけでも見る価値があるだろう。(DVD)
「偽りの人生」、ウィゴ・モーステンセン主演
アルゼンチン映画。これはひどく面妖な映画だ。わかりやすい話なのに、なにかしこりが残るような不快感が残る。
ペドロとアグスティンは性格の全く違う双子の兄弟。兄は生まれ故郷の島(どこだかわからない)で養蜂家として生活しているが、裏社会ともつながっている。弟は大都会で医者をやっている。キャリアの妻との二人暮らし。兄は乱暴者だが弟は繊細。ある日兄が弟の家に来る。兄は末期がん。今の生活に閉塞感を感じていた弟は兄と入れ替わり故郷に帰るという話。愚兄賢弟物語だがお利口な弟が悪の兄貴に入れ替わるのだからまあばれないわけがないだろう。
アルゼンチンは財政破たんをして再建中の国だが、そういう雰囲気を随所に感じさせる映像でそれはそれで面白かった。しかし話が少々ばかばかしいので最後まで見るのが少々しんどい。こう云う話なのにカトリックの国らしく、悪党が聖書を読んだり、聖女のような少女が登場したりする。
私の感性ではついて行けない映画だった。(DVD)
「コレクター」ジョン・キューザック主演
原題は「FACTORY」、何の工場かは見てのお楽しみ。まあただのコレクターものとはひとひねりしたものだ。実話に基づいた話らしい。
娼婦がこの何年か冬になると行方不明になる。アメリカ、バッファロー市が舞台である。それを捜査するのがキューザックでパートナーの女性刑事と組んで取り組むが、迷宮入りしてしまう。ところがキューザックの娘が誘拐されてしまい、話は急展開する。思いもよらないラストがショッキングだが、このごろこういう猟奇物はあまり見たくなくなってしまった。年のせいだろう。このジャンルが好きな人には面白い一作だ。(DVD)
「コズモポリス」、デヴィッド・クローネンバーグ監督
小説の映画化。観念的な台詞の連発だが、その背景がよく飲み込めないので、見ていて画面から置き去りにされてしまう。
若くして金融王になった主人公は、なぜかリムジンをオフィスにしている。「元」の暴落で破産寸前、その彼の一日を描いている。ボディーガード、運転手、事業パートナー、金持ちの娘=妻、よくわからないパイ投げ男、主人公の会社を首になった男、その他こういった人物が入れ替わり立ち替わり登場してぺらぺらしゃべっておしまいと云う映画だ。
最後までついて行けなかった。悔しいです。(DVD)
〆