2010/1/29
サントリーホール(19列中央ブロック)
サントリーホール(19列中央ブロック)
第617回日本フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会
指揮
飯森泰次郎
飯森泰次郎
小山清茂:管弦楽のための鄙歌第二番
湯浅譲二:交響組曲「奥の細道」
湯浅譲二:交響組曲「奥の細道」
ブラームス:交響曲第四番
前半の日本人の作品は日本フィル再演企画第4弾で日本フィルの委嘱作品でもある(小山)。
2曲のうち面白かったのは小山の鄙歌である。なんとも懐かしい音楽が素のままでてくるような趣である。たとえば子供のころ祖母が仏壇の前で口づさんだ御詠歌、たとえば子供のころ良く見に行った東映のチャンバラ映画の音楽、、たとえば民謡を惹起させるような演歌の趣である。日本人が昔からもっている日本人の心に、それも直に触れるような、なんともいえない懐かしい音楽であった。4部からできている小品(約15分)。
和讃、たまほがい(魂の交流)、ウポポ(アイヌ民謡の意だそうだがアイヌと特定しなくて祭りの音楽とでも言える音楽)最後が豊年踊りで打楽器の乱舞で興奮を呼ぶ、の4つからなる。後半の2つが音楽に動きがあり耳触りも良い。
2曲のうち面白かったのは小山の鄙歌である。なんとも懐かしい音楽が素のままでてくるような趣である。たとえば子供のころ祖母が仏壇の前で口づさんだ御詠歌、たとえば子供のころ良く見に行った東映のチャンバラ映画の音楽、、たとえば民謡を惹起させるような演歌の趣である。日本人が昔からもっている日本人の心に、それも直に触れるような、なんともいえない懐かしい音楽であった。4部からできている小品(約15分)。
和讃、たまほがい(魂の交流)、ウポポ(アイヌ民謡の意だそうだがアイヌと特定しなくて祭りの音楽とでも言える音楽)最後が豊年踊りで打楽器の乱舞で興奮を呼ぶ、の4つからなる。後半の2つが音楽に動きがあり耳触りも良い。
湯浅の奥の細道は谷川を流れる清水の様なひんやりとした音楽で、小山の鄙歌とは趣が異なる。芭蕉や日本を感じるよりも現代音楽を聴いている感じ。したがって標題音楽であっても純音楽風に自分には聴こえた。わずかに打楽器(種類は多数)やヴァイオリンの胴を指先でトントン叩く音が日本的と言えば日本的。そういう切り口で見ると3曲目の「夏草や兵どもが夢のあと」や4曲目の「閑さや岩にしみいる蝉の声」が印象的であった。
日本フィルも生き生きしていてこの2曲はとても楽しんだ。多彩な打楽器陣は迫力もあり良かった。またとりわけ湯浅の作品の楽想に日本フィルの硬質の弦があったように感じた。昨年の黛敏郎や芥川也寸志(読響)の音楽でも感じたがどんなに多彩な楽器を用いてもアウトプットとして出てくる音楽は水墨画のようなモノトーンに自分には聴こえるのがいつも不思議である。
最後はブラームスの四番である。これは飯守らしい堂々としたブラームスだ。しかし演奏は素晴らしいというには少々傷があったように感じた。
1楽章出だしが非常に遅い、そのせいか、そろわないのでハラハラしてしまった。演奏時間からするとクライバー/ウイーンフィルよりわずかに遅いのだが時間差以上にもっさりした印象。美しい2楽章も何か冴えない。3楽章からオーケストラも音楽のせいか俄然生き生きしてきてとても迫力のある演奏。しかし終わりが何かしまらない。ばらばらのように感じる。最後の4楽章が最も良かったかもしれない。出だしは勢いがありその後ゆったりした変奏に入ると腰を落として丁寧に音楽を聴かせた。聴かせどころではあるにしても、フルート→クラリネット→オーボエの一連の受け渡しはとても美しく、今夜の一番の聴きもの。ここだけでも満足したくらい。そして終結部に入る。ここも大いに盛り上がるがどうもティンパニと金管が妙に雄弁で、それを支える低弦がずっしりとこないので、今一つ圧倒的な高揚感というか充実感がなかったのは残念。そして最後も何かばらばらに終わってしまったような印象を受けた。部分的には美しいし迫力もあり立派な音楽を飯守はもたらしてくれたが細部の詰めが甘かったのではないだろうか?
1楽章出だしが非常に遅い、そのせいか、そろわないのでハラハラしてしまった。演奏時間からするとクライバー/ウイーンフィルよりわずかに遅いのだが時間差以上にもっさりした印象。美しい2楽章も何か冴えない。3楽章からオーケストラも音楽のせいか俄然生き生きしてきてとても迫力のある演奏。しかし終わりが何かしまらない。ばらばらのように感じる。最後の4楽章が最も良かったかもしれない。出だしは勢いがありその後ゆったりした変奏に入ると腰を落として丁寧に音楽を聴かせた。聴かせどころではあるにしても、フルート→クラリネット→オーボエの一連の受け渡しはとても美しく、今夜の一番の聴きもの。ここだけでも満足したくらい。そして終結部に入る。ここも大いに盛り上がるがどうもティンパニと金管が妙に雄弁で、それを支える低弦がずっしりとこないので、今一つ圧倒的な高揚感というか充実感がなかったのは残念。そして最後も何かばらばらに終わってしまったような印象を受けた。部分的には美しいし迫力もあり立派な音楽を飯守はもたらしてくれたが細部の詰めが甘かったのではないだろうか?
今夜感心したのはトランペット。実に伸びやかな気持ちが良い音であり刺激的な音も全くない。それとティンパニがとても力強く迫力があった。
終わり
終わり