ぶんぶんのへそ曲がり音楽日記

オペラ、管弦楽中心のクラシック音楽の音楽会鑑賞記、少々のレビューが中心です。その他クラシック音楽のCD,DVD映像、テレビ映像などについても触れます。 長年の趣味のオーディオにも文中に触れることになります。その他映画や本についても感想記を掲載します。

2009年08月

面白い映画が来た。「3時10分、決断の時」だ。久しぶりに映画館に行く気になって新宿ピカデリーにいったらなんと長蛇の列で、一回目は売り切れでギブアップ。
最近映画館に行く気がしなくなった原因のひとつはここにもある。昔は満席でも立って見せてくれた。今はみんな指定席だ。まあ安心して見ることができるのはいいけど融通が利かない。昔は途中から入って最後まで見て、そして次ぎの回は通しで見ることもできた。面白ければもう一度通しで見ることだってできた。どちらが良いのかわからないけど。
 それと映画館が小さくなった。300-400席なら大きいほうではないか?昔の新宿のミラノ座や渋谷のパンテオンなどは優に1000人以上入ったのだ。器が何かせせこましいと映画までせせこましくなって我が家でDVDを見るのとあまり変わらなくなる。
 ということでこの映画は今回は見送り。

夏休みに何本か見た映画、いずれもDVD、我が家での鑑賞である。

「ベンジャミンバトンの数奇な人生」
ブラッドピットケイトブランシェットの組み合わせ。バベルと一緒。
1918年から2003年までの叙事詩ともいえる映画。しかし2時間半は少々冗長ではないか?さしたるドラマが待っているわけでもない。バトンがどんどん若返るのを縦糸に、アメリカ現代史を横糸にしている。まあフォレストガンプみたい。一次大戦、二次大戦、ドーバー海峡横断、ニューオリンズのハリケーンありだがこれらは物語とはあまり関係なく挿話にもならないとってつけのような取扱で時々あくび。フィンチャー監督のお得意のメーク技術が唯一の売りではないだろう。老いがテーマと感じた。その意味ではまあ面白かった。


「ORFANATO]スペイン映画、原題は孤児院という意味か?
スペイン製のホラーだが最後がちょっと情緒的で本当のホラーにはなりきっていないが、全編怖くて鳥肌が何度もたった。
孤児院で育った主人公(女性)が孤児(ただしHIV感染している男の子)を引き取るがその子が失踪してしまう。その男の子は主人公の孤児院時代の仲間の霊と交合している。じつは主人公の友人たちはその孤児院の仲間の醜い少年を誤って殺してしまうがその少年の母親に毒殺されて埋められてしまう。其の霊達が見つけて欲しいとさまよっているのだ。結局主人公の養子の男の子は其の霊を追って死んでしまうのだが主人公はその少年を愛するあまり自殺する。そうすれば自分も霊になり男の子に会えるからだ。
スペインでは人気の映画だったそうだ。珍しい作品で面白かった。


「その男ヴァン・ダム」ジャン・クロード・ヴァンダム主演だがその本人をパロディにしてしまうんだからフランス(本当はベルギーかも)人のひねりは面白い。
 世界的アクションスターであるヴァンダムが落ち目になり郵便局に強盗に入る、ところがそれは間違えで彼は単に巻き添えをくっただけ、しかしマスコミも警察も彼が主犯と信じ、大騒ぎになるというバカバカしい話。そういえばヴァンダム最近見かけないなあと思ったらこんな映画を作ってしまった。自虐的であるにしてもそれをユーモアと思わせる作りはなかなかでした。途中中だるみするが面白い一編。
最後刑務所(金がなくて奥さんとの裁判費用がないので詐欺をおこなうがその罪で服役)のなかで空手を教えるシーンはなかなか笑わす。


「クリーナー」S・L・ジャクソンエド・ハリスなど
芸達者な俳優がそろったので期待した。殺人現場をクリーンにすることを職業にしている元警官が主人公。彼が殺人事件に巻き込まれ容疑者になってしまう。意外な結末で面白いが少々脚本が粗雑ではないか?80分でドラマの筋たては描けてもその中の人にリアルさを持たせるのは難しいかもしれない。話は面白いのに残念。


「感染列島」妻夫木聡壇れいなど役者は豪華。
いわゆるバイオ・クライシスものである。話は面白いのだが冗長。特にウイルスが発見されてからは単におセンチなメロドラマに化してしまった。新種のウイルスが猛烈に蔓延してゆくなかでの医師や看護師の活躍や患者の人間模様を描くいわゆるグランドホテル的な手法だがもうひとひねり欲しい。南の島でウイルスを発見するところなど非常に面白かったが後はウイルス患者の悲惨な有様や医師や看護師のばたばたする様を描いているだけなのでどうしても単調になる。人道的な面や医療の現場に焦点を当てるのはわかるがもう少しクライシス面にフォーカスしたほうが娯楽作品としては面白かったのでは。厚生省の啓蒙映画ではないのでしょうから。
この手の映画では「アウトブレーク」が面白い。もちろん欠点もあるが最後まで惹きつけるドラマとしての面白さがある。軍の細菌兵器まで登場するわけでいわゆるクライシス・サスペンスとしては良くできていると思う。
日本でもそろそろ妙なセンチメンタリズムを排した真のサスペンスができないものかな?
それにしても佐藤浩市があんなに速く死んでしまうなんてもったいないよな。


「オーストラリア」ニコール・キッドマンヒュー・ジャックマン
オーストラリアの現代史を軸にイギリス貴族の妻に焦点をあて描いたメロドラマ。アポリジニの純血性を守るための分離政策など日本ではあまりなじみのない話も織り交ぜ長尺ものではあるが飽きさせない。この手の映画好きです。

                              以上

この頃映画を見なくなった。音楽が忙しいのと便利なのでDVDで見てしまう。映画館でどうしても見たい映画がないというのが最大の理由。特にこの数カ月は全くない。

「やがては復讐という名の雨」フランス映画
この映画「あるいは裏切り者という名の犬」の続編かと思ったら全然違う。共通点は刑事ものということ。まあこれを見ているとフランスの警察は怖い。これは実話だというのだからすごい。少々荒削りながらリアリティがあり、この手の警察もののお好きな方にはおすすめ。

「宮廷ゴヤは見た」原題は”GOYA’S GHOST
邦題は何か「家政婦は見た」のぱくりみたいでセンスなし。原題は意味深くどうでも取れるようだが歴史の証人としてのゴヤを意味しているのかも。主演はハビエル・バルデム、ナタリーポートマン、監督ははミロス・フォアマンだからつまらないはずはない。フランス革命をはさんでゴヤとロレンソ神父とイネスとの人間模様を描く。歴史映画でも美術紹介映画でもない、まあメロドラマですね。重厚な歴史ドラマを期待するとがっかりします。ナタリー・ポートマンの親子二代のメークが一番の見ものだから推して知るべし。

「ブーリン家の姉妹」これも重厚な歴史劇を期待したががっかり。メロドラマのようなホームドラマのような仕立て。アン・ブーリンとヘンリー8世のことを知っていないとあまりおもしろくないでしょう。欧米の人には常識でも日本ではどうかな?もう少し歴史を横糸にして構成すると面白い映画になったのではないか?おそらく3時間近くなるのではしょったのでしょう。トニー・バナのヘンリーはあまりに軽くミスキャスト。ナタリー・ポートマンのアンブーリンは好演。彼女はうまくなった。スカーレット・ヨハンソンのもう一人のブーリン役も良かった。彼女は「ブラックダリア」がよかった。原題はもう一人のブーリンだからヨハンソンが主役かな?

「REDACTED」:編集されたものという意味
フィクションとあったが映像を含めドキュメンタリー風。これは強烈なアメリカ批判やイラク戦争批判といった趣だが、もちろんその要素はあるにしても、主題は極限状態におかれた人間の狂気だ。

「シャッフル」サンドラ・ブロック主演
オカルトホラーと思ったらちと違う。時間がいつも元に戻ってしまうという、この手の映画は多いのでこのレベルではお客は呼べない。最後はなかなかショッキングではあるが結局奥さんがちょっとノイローゼのシチュエーションでの夫婦愛がテーマの様だ。サンドラ・ブロックは随分ふけたね。

「007慰めの報酬」ダニエル・クレイグ主演
非常にあわただしい展開、良く言えばテンポが速い。しかし名前はたくさん出てくるし、前作を覚えていないとさっぱりなのであまり良い出来とはいえない。大体ジェームス・ボンドが死んだ女性のことを思ってめそめそするわけないでしょう。それが新しいボンドのキャラらしいが。ダニエル・クレーグをショーン・コネリーとくらべるのは気の毒ではあるが相当レベルが違う。コネリーのボンドの魅力は非情な中にエレガンスがあるところで原作イアンフレミングの創造した人物に非常に近いと思う。ボンド役に選ばれたダニエル・クレイグが気の毒。彼には非情さはあるがエレガンスがない。ということで原作から離れた人物像としてみれば腹が立たない。でももう少し丁寧に作ってほしい。悪役の描き方も類型的で個性を感じない。たとえばドクターノオやクレブ大佐のように。

「フェイクシティ」:原題は”STREET・KING”LAコンフィデンシャルなどのジェームス・エルロイの原作。ストーリーはかなり面白い。
キアヌリーブスが主演なるもミスキャスト。彼は非情な役は無理。ぶっているだけだから迫力ない。悪徳警官役のフォレスト・ウィティカーも善人役が似合う顔だからちょっと合わなかった。「キング・オブ・スコットランド」はよかったがこれは暴君だが実際は弱い人間なのでぴったりなのだ。
ということで原作負け。ただキャストを除けば満足ゆく映画。

「チェ39歳の手紙」ベニチオ・デルトロ主演
前作同様デルトロが浮いている。日記を映画化したものだからか断片的な話の連続なので全体がつかめないのが難点。エンターテインメント性がほとんどない独特の映画。ソダーバーグ節か?でも「トラフィック」のような魅力的な映画も作れるのにね。この映画を今作る必然性が感じられない。

「アラモ完全版」ジョンウエイン主演
古い西部劇の名作だが完全版ということでテレビで見た。我が家のDVDは短縮版なのだ。面白い映画ではあるのだが久しぶりに見てジョンウエインのデビークロケットの台詞を良く聞くと恥ずかしくなるようなメッセージがちりばめてあるなあと気が付きびっくりした。

「レッドクリフ供
予想通りの出来栄え。気醗?櫃亙僂錣蕕覆ぁこういう話と思ってみればああそうかということだが、あまりにも嘘っぽい(この時代を見た人がいないので嘘かどうかは断言できないので嘘っぽいにした)ので呆れた。だいたい曹操、孫権、周愈、劉備、が槍や剣をもって戦うか?火攻めまではまずまずだったのに。それと途中でちょこちょこ顔を出す人道的なメッセージがわざとらしくて気になった。まあ二度と見ないでしょう。
                                以上

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