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2月25日、N響定期公演Bプログラムを聴いた。指揮は先週のCプロと同様トゥガン・ソフィエフである。
  曲目は以下の通り
バルトーク:ヴィオラ協奏曲(シェルイ版)
          ヴィオラ(アミハイ・グロス)
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第一組曲、第二組曲
ドビュッシー:交響詩「海」

  先週のチャイコフスキーは大いに気にいったので今日は期待したがいささか肩透かし。
まず後半のフランス物から。ドビュッシーはチャイコフスキーの時のように緩急をバランスよくつけて演奏していたように思うが、結果が伴わない。特に緩やかな部分がスムースに聴こえない、粘っこく、しつこく聴こえるのはマイナスだ。その後の急の部分もつなぎ目が少々唐突に思えた。特に繊細な音楽が続く2曲目はそういう印象を受けた。
  また各楽章のクライマックスの部分の力感が今一つ。例えば3曲目のコラール主題から続いて大きく盛り上がる部分は、ステージ上にオーケストラが壁の様に立ち上がるようなサウンドを聴きたいものだが、今夜の演奏は壁に隙間があるようで、少々スカスカに聴こえる。
  演奏時間は25分は少しかかり過ぎのように思った。愛聴盤のミュンシュ/ボストン、カラヤン/ベルリン(1964)は20分強なので聴き比べると緊迫感が違うのがよくわかる。最もカラヤンはその後EMIで再録音したが、それはかなりねちこい演奏で(演奏時間25分)、カラヤンの場合は旧盤をよしとする。

  ダフニスとクロエも緩やかな部分がしつこい。全員の踊りなどのパワーがいる部分は力感が乏しく少々期待外れだった。

  バルトークは未完に終わってしまった曲だ。独奏部分のみ完成し、伴奏の部分が未完成だったのを
友人のシェルイが完成させたので、私たちが聞いたのはそういうことでシェルイ版という。
  夢の中のような音楽に思われたが、実際に夢の中だったので申し訳ありませんが何も書けません。
アンコールもバルトークで「44のヴァイオリン二重奏曲の第37曲、プレリュードとカノン(ヴィオラ版)」。これはN響の首席ヴィオラ奏者とのデュエット、全体に民謡調の素朴な音楽で、これで目が覚めた。
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                                       〆