ハリウッドだけでなく、面白い映画が作られているという証明。最初の2つがそうだ。


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実話に基づく映画だ。ISISにおそれられたモスル防衛のためのSWATに、.職業軍人ではなく主に警察官上がりから構成されていた隊があった。その隊は軍に背き特別の任務を自らに課していた。果たしてその任務とは何か}
  バクダットに次ぐ大都市モスルが廃墟になるさまは、いまのウクライナのマウリポリの光景を彷彿とさせる、すさまじさ。そのなかでの戦いのリアリティ。最新兵器の戦いが現代の戦争だが、結局は肉弾戦でないと片付かないということを示している。見ていて救いはかすかしか感じられない怖さ。
イラク映画だろうか?




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これはまた「モスル」とは打って変わってファンタジーだが、ディズニー映画の甘さ一杯の作りにはなっていないのが、「本当のピノッキオ」という邦題があらわしている。オリジナルではピノッキオは吊るされれて死ぬらしいが、本作ではディズニーの版も一部導入しているようで、ハッピーエンドになっている。しかし社会風刺、差別社会などとげがささるように登場して、大人の鑑賞にも十分耐えられるようになっている。むしろ大人が見るべきではあるまいか?特に心のねじ曲がったピノッキオが如何に救いを得たのかストーリーは一つのポイントである。単に妖精がピンチを救っただけではないのだ。
イタリア映画である。特撮が素晴らしい。人形と人間の間に全く違和感がない。



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ジェネール・モネィと云う女優が、エデンという南北戦争時代の奴隷女と現代の流行社会学者のヴェロニカの2役を演じている。19世紀と21世紀がどう交差するのか?しかしこれはSFではないのだから、奇想天外なストーリーである。

  エデンは南軍の抑えたプランテーションで働く奴隷、逃亡の履歴もあり、他の奴隷からも一目置かれているリーダー的存在。
  一方ヴェロニカは大学でPHDをとった新進気鋭の社会学者で黒人差別はおろか、多様化の進む未来を志向する学者として売れっ子になっていていわゆるオピニオンリーダー。白人至上主義者には煙たい存在だろう。しかし彼女はある会合の後に大変な事件に遭遇してしまう。
  この二人の存在が明確になるの最後の大どんでん返しで初めてわかる。恐るべきストーリーだ。

  これはスリラーとは銘打っているが、そんな単純な区分けはできまい。ここでは結局南北戦争のころと今(21世紀)とは黒人にとっては何も変わっていないということを言っているのだろう。原題の「ANTEBELLUM」と「戦争の前に」と云う意味で、一般には南北戦争前にと云うような使い方をする。
  つまり南北戦争前と後で何も変わっていない。そういうことだろう。
  3作ともいずれも個性的で、こひねりも聴いていて、面白い作品だった。